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オーディオで最も大切なのは帯域バランスであるが、それは物理特性的な意味でのオーディオの基本ということで、それはスタート地点だ。

オーディオで大切なのは、そうした基本条件を満たした上での、オーディオの音楽性である。今まで色々なオーディオをしてきたが、現時点では音楽性のあるオーディオの音とはなんだろうと考えている。

音像や音場の再現は、オーディオ的な面白さであるが、音像がシャープとか音像がリアル、音場が3次元的というのは、面白いが、それと音楽性は直接関係がない。

音場にしても音像にしても視覚的要素なので、例えていうなら綺麗な景色を眺めて感動しているようなもので、ミュージシャンが伝えたいことは、そうしたことなのだろうか?

ミュージシャン側からすると、オーディオで3次元的なステレオイメージがとか、奥行きがどうこう、鮮度や解像度が良いと喜ぶ姿を見たら、ちょっと首をかしげるだろう。

つまり、ミュージシャンはそうしたことを目的として、当然ながら音楽を演奏しているわけではないのだ。
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そうしたことを考えると、音像が広くなった、音に立体感があると、喜んだりするのは、音楽を聴くという視点からすると、それはズレている。

オーディオで音楽を聴くのだから、本来はそれがオーディオの目的なのである。当たり前過ぎる話しであるが、オーディオにマニアックにのめり込むと、この当たり前のことを忘れてしまうものだ。

音楽を聴くということは、オーディオには音楽性のある再現性が大切だ。その音楽性のある音とはどんな音だろうか?それは、音という言葉では伝えきれない部分で、やや文章にするのが難しいが、音楽性のある音とは、音楽の表情が伝わる音だ。

それは具体的に書くと、ミュージシャンの気持ちが伝わってくる音が音楽性のある音ということになる。

ロックだとノリのある雰囲気とか、J-POPなら弾けた楽しさがあって嬉しいとか、クラシックなら気持ちが落ち着いてリラックスするとか、それは、言語を超えた領域の心に伝わってくるような感じだ。

つまり、音楽を聴いて「感じるものがあるかどうか?」という部分がポイントだ。先程の音像や音場は、ミュージシャンがリスナーに伝えいたいことを、オーディオが再現するのに、絶対必要条件ではない。

音場が広がると嬉しいということや、音像が見えるように再現される音には、KEFを愛用していた時期に随分ハマったので、それを否定はしないし、こうしたオーディオも楽しいものだが、それはオーディオの楽しさであって、音楽を聴く楽しさとは別なのだ。

つまり、オーディオとしての魅力の醍醐味は音楽を聴く楽しさ(嬉しさ)を味わえるか?という極めてシンプルなことだ。

そのことは、オーディオで音楽を聴いている理由を考えると出てくる答えである。

鮮度の高い音を聴きたいから音楽を聴く、3次元の音場を聴きたいから音楽を聴く、低音がドッスンとくるのが快感で聴く・・・・それはオーディオはマニアの喜びであって、本来の目的から明らかに脱線している。

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